» 2013 » 11月 » 21のブログ記事

透析患者はどうしようもない、というような話をする透析スタッフは少なくないと思います。
自分に甘く、病的にワガママで、制度や福祉に甘え放題で、やってもらえることは当たり前で感謝の気持ちはまるでなく、文句ばかり言って、自己管理は途方もなく悪く・・・
私自身、透析に携わるスタッフとして、上記の意見はイヤというほどわかります。

そんな私も今では透析患者ですけどね・・・w

当院にも、中2日の体重増加が10%超の患者は少なくないし、Pは毎回7オーバーだし、Kも6超えだし・・・って言うどうしようもない方が沢山いらっしゃいます。
食事指導をしようが、血圧が下がって死ぬ思いをしようが、下肢攣れで辛い思いをしようがどこ吹く風。次の透析のときにはまたケロッとして爆発的な体重増加を記録してきます・・・w

私も、ショックまでは行きませんが(その前にナースコールするからw)下肢攣れで辛い思いをしたことは複数回あります。
飲み会の次の日とか、バーベキューの翌日なんかは体重増加が多いので除水も多くなり、足が攣ったり血圧が下がったりします。
それはもう辛くて、もう二度とこんな辛い透析はイヤだ、以後気をつけようと固く心に誓ったものですが・・・懲りない患者さんは少なくありませんw

私達スタッフは知識があるので、飲水量を控えるには減塩、ということが理屈でわかっています。
食塩8g摂取ごとに1kg水が増える(短絡的にいえばですけど)ということも理論で理解しています。
どんなに我慢しようと思っても、食塩摂取量が多ければ無理、我慢などできるはずもなく体重が増えることは知っています。
が。
患者さんはその知識が欠落しています。
塩と水が結び付かないので、普通の食生活を送り食塩摂取量が多い状態で水だけ我慢しようとするから辛くなる。
スタッフがいくら説明をしても、理論で理解するだけの生理学の知識が無い人も多く、同じことを繰り返してしまいます。

透析時間の延長に抵抗するのも、クリアランスの概念が無く、標準的とされる透析療法がどれだけ透析不足であるかを知らないから。

リンが常に高い状態で、いくら注意をしても食事に気を使えないのも、高リン血症が将来招くであろう血管の石灰化の結末の恐ろしさを知らないから・・・。

無知であるがゆえに、自己管理が出来ないんですよね。

私はヘタレで痛みに弱く、自分に甘くて我慢が出来ず、どうしようもない性格ですが、(導入期より自尿はゼロですが)自己管理はまぁまぁのレベルで出来ていると思います。
(飲み会とか娯楽の後は増えますけどw でもさすがにDWから10%とかはありませんw)
それは、ひとつは透析に携わるスタッフとしてのプライドというものも少しはあるかもしれませんが、一番大きいのは「知識」です。
知識があるから何故そうしなければいけないかを理解でき、必要以上の我慢を強いられることなく過ごせています。
(塩分摂取量を抑えれば喉は渇きませんから、それほど水を飲まなくても辛くありません。)

もちろん、コンビニで500mlのペットボトルのジュースを買って飲んでいる人を見ると羨ましいなぁと思うし、500mlのパックのコーヒー牛乳を見ると飲みたいなぁと思うこともありますw(透析導入前はどちらも普通にやっていたことですし、大好きでしたから。)
夏場はビールの大ジョッキが飲みたくて仕方が無かったし(時々飲んじゃったけどw)、飲み食いするたびに何か考えたり思ったりしなければならないこの生活にウンザリすることは多々あります。

それでも我慢が出来るのは、何より生きていたいからw
暴飲暴食を繰り返していた多くの患者さんの悲惨な結末を沢山見てきたから。
だからやれるんですよねぇ・・・。

自己管理能力が低くてどうしようもない患者さんというのは、おそらく知識の欠落が原因なのだろうと思います。
必ずしもすべての患者さんが、スタッフが説明したことを理解できるだけの理解力があるとは限らないので難しいところもあるかもしれませんが、理解力がある患者さんにはしっかりと説明をし「なぜこうしなければならないか」をとことん説明すると、状況は変わるのではないかという気がするのですが・・・。
(それもかなり難しいでしょうけれどw)

人間だから、常にずっと完璧にというのは無理ですけど(特にこれからまた宴会シーズンだしw)、
常にずっと管理が悪い患者さんというのは、無知や無理解が原因になっているケースも多々あるのではないかと思う最近です。