私は、以前から書いておりますが難聴です。
数年前までは健聴でしたが、仕事のストレスから突発性難聴を繰り返し、やがて耳管開放症を患い、聴力が戻らずに難聴になってしまいました。
右耳は軽度難聴(正面から、ゆっくり大きめの声で話してもらえれば理解できる)、左耳は中度難聴(近い距離での正面からの会話でも、音としては聞こえるけど、言葉として殆ど聞き取れない)状態です。
障碍者認定されるレベルまでは行っておりませんが、日常生活でものすごく不自由を感じます。
会議の話はほぼ全く聞き取れません。
医療現場ではよくあるシチュエーションですが、マスクをされてしまうと、相手の人の話はほぼ全く理解できません。(普段は半分以上口の動きに頼って会話をしているので、マスクをされてしまうとダメなのです。)
声が小さめの老人’特に声の低いおじさん&おじいさん)の声は、相手の人の口に耳を相当近づけても聞こえません。(聞き取れません。)
相手の人が、少し小さめの声(内緒話をするつもり)で話しかけてくると全く聞き取れません。
こんな状態で、補聴器の購入を考えるに至りました。
(それ以外でも、人の話、機械の警報を聞き逃すまいとものすごく神経を使って生活しているので、非常に疲れていました。神経が磨り減る思いでした。)
もう少し難聴の度合いが重ければ、障碍者認定がされて補聴器購入の補助金がもらえるのですが、私の場合はそれも望めず、全額自己負担で購入しました。(安い車なら買える位の金額がかかりましたwww)
購入したのは、人工呼吸器で(私にとっては)馴染みのある「シーメンス社」の「PURE」という機種です。
日本語の聞き取りやすさに重点を置いた「EXCEL」テクノロジーを搭載した、リモコン付きの最新型です。耳掛け型補聴器としては世界最小の大きさで、目立ちません。
よく、ご高齢の患者さんの使用している耳掛け補聴器を見ていた私は、「耳掛けは目立つし、年中ピーピーハウリングしていて使い物にならない」というイメージだったのですがw大間違いでした。
当初、人に補聴器を使っているのを気づかれることがイヤで、「目立たないこと」を第一に機種を選ぼうとした私は、耳掛けは上記のようなイメージがあって全く考えていませんでした。(耳穴型で、なるべく小さく奥のほうに入れられるものを、という基準で考えていました。)
が、耳穴型は、「こもり」が凄くて気になったんですよねぇ・・・。
「こもり」は、突発性難聴とか耳管開放症をされたことのある方ならよく判ると思うのですが、あの辛い「自声強調」があるんですw(耳を塞いで話すことになるんですから、よく考えればそうですよね。)
重度難聴の方なら、自分の声も聞こえないらしいので「こもり」は問題にならないらしいのですが、軽度~中度の人には「こもり」はかなり深刻な問題です。(これがイヤで補聴器を着けていられなくなる人も多いようです。)
実は私、以前は補聴器とまでは行かないのですが、パイオニアの音声拡張器「フェミミ」というものを使用していました。
お値段が数万円程度と安く、通販で購入できてお手軽だったために使用していました。
が、これはカナル型ヘッドホンを耳に入れて使用するモノだった為に、やっぱり音の「こもり」が凄くて・・・
また、全ての音声を拡張してしまう(高価な補聴器には指向性があったり雑音カット機能がありますが、フェミミは殆ど無いと思って間違いありません)ために、たとえば会議中に使用していて、咳やクシャミをする人が居ると鼓膜が劈けそうになる、という不便なところがあり、長時間の使用は無理でした。
ところが、シーメンスの「PURE」は全く違いますw
(値段はフェミミの数十倍ですから当然といえば当然なんですけどw)
耳穴式で問題になる「こもり」は、耳の中に入れるレシーバー部分を開放型にすれば殆ど発生しません。(ただしこれは軽度難聴の人しか出来ません。重度難聴でこの機種を使う人は、レシーバーを密閉型に替えなければなりません。)
まず、聞こえてくる音の種類がとても自然です。自分の耳で聞くのとあまり変わりません。
また、指向性が設定でき、雑音が凄いところでもプログラムを切り替えれば視界に入る範囲の音だけを重点的に拾う様にするなど可能で、殆ど苦痛を感じません。
プログラムは8種類設定できて、リモコン1つで、又は補聴器本体についている後ろのボタンを押すだけで切り替えが可能です。
雑音はカットされ、これまで耳ざわりに感じていた紙をめくる音とか、茶碗がぶつかる音(主婦は皿洗いから逃れられないので、この音が適度にカットされるのは嬉しいですよね)、水が流れる音などはボリュームが抑えられます。(これもプログラムが可能なので、シーンに合わせて変更できます。)
ただ・・・この補聴器だけでは、テレビの音声は家族と々音量では楽しめませんでした。
リモコンをワイヤレススピーカー機能付きのものに変えてもらって、テレビの本体側にトランスミッターを接続して、ソコから補聴器のリモコンに音声を飛ばして聞く形にすれば、テレビの音もよく聞こえるみたいです。
(私は本体附属の標準型リモコンを選んだので、テレビの音は飛ばせませんがw)
テレビを家族と同じ音で楽しみたい時だけは、以前の「フェミミ」を使用しますが、そもそも私はテレビを殆ど観ないのであまり不自由を感じません。(テレビが楽しみで長時間観るという方は、リモコンだけオプションのテレビ対応のものに変更するといいと思います。)
補聴器を補聴器やさんで購入した帰り、車に乗って最初に感動したのは・・・
「ウインカー」の音が聞こえたこと!!!w
あの、カチカチ言う音すら聞こえなくなっていたんですねぇ・・・アタシ。ここ数年あの音が聞こえていなかったので、久しぶりにウインカーの音が聞こえたときは感動しました。
また、帰宅して息子に「補聴器つけたからね」と言ったら、
「どこ!?何処についているの??」
と必死で探していたのも嬉しく・・・(それくらい、殆ど判りません。細い透明のワイヤーがわずかに耳穴から出ているのが近くで見ればわかる程度で、女性は特に髪の毛で隠れてしまうので、見つけられにくいと思います。)
それ以外にも、
「母ちゃんに普通の声で話しかけても話が通じる!!」
と息子が感動していて・・・思わず涙が出てしまいました。
これまで不自由な思いをさせたり、きっと(息子にしてみれば)何度話しかけても聞こえないでイライラしたことも多かったろうと思うと申し訳なさで一杯になってしまって。。。
あまりに高価なのと、補聴器をつけるイメージに抵抗があってずっと躊躇っていたのですが、周りの人たちに掛けてきた迷惑を考えたらもっと早く購入するべきだったと後悔しました。
耳掛け式の補聴器は、シーメンスに在庫があれば注文の翌日には手にできるようです。
(耳穴タイプは、耳の穴を模ってオーダーメイドのため1週間程度じかんがかかるようです。)
このブログの読者層の方には難聴でお困りの方ってあまりいらっしゃらないかとは思いますが、もし、そういう方が身近にいらっしゃって購入を躊躇っているような方がいたら、何も心配は要らない、補聴器はものすごく進化している、外から見ても殆ど判らない機種は沢山ある、と教えて差し上げて欲しいと思います。
(若い人向けに、ラメ入りの模様のものとか、お花の模様のピンクのものとかもありますよw あたしは目立たないことを第一にしたかったので黒を選びましたが。)
なお、元アメリカ大統領のビル・クリントン氏も、50歳くらいから補聴器を使用しているそうです。
(私は現在四十路ですがw)
聞こえない生活で神経をすり減らしているより、メガネを掛けるのと同じように補聴器を使用すれば、とても快適に生活できるようになるので、軽度難聴であっても「聞こえない」と悩んでいたら補聴器を検討してみるのもひとつの手だと思います。